青木文（あや）（石田ゆり子）は45歳の女性。6年前、彼女の夫が上京中に無差別殺人事件に巻き込まれて命を落としました。その直後に妊娠した息子も今は5歳で、二人は文によって海辺のドライブインを切り盛りしています。文は夫との幸せを取り戻すことを諦め、単調な生活の中で過ごしておりました。そんな中、刑事・佐々岡滋（原田泰造）が文と息子を気にかけて頻繁に訪ねてきますが、文の心には響きません。ある日、ドライブインに詰めかけたトラック運転手たちの中に、物静かで落ち着いた雰囲気を持つ男性・長部瞭司（おさべ・りょうじ）（井浦新）がいました。彼は聴覚障碍者で、コミュニケーションには筆談のメモ帳が必要でした。瞭司の存在は文の心に響き、二人は互いに惹かれ合っていきます。しかし、運命的な Twist があります。6年前、弁護士として成功していた瞭司こそが、文の夫を殺害した張本人であることが判明しました。この複雑な関係性と、悲劇的な過去が二人をさらに深く結びつけるのです。
